■藪下明博様より写真詩集『蝶』(2020年5月20日 私家限定版)を御恵送賜りました。心より感謝申し上げます。幻想的な異世界へ誘われました。
12編(葉)のお写真と映像に響き合う詩句、詩のタイトルはすべて蝶の名前。葉書大の一枚一枚が蝶の羽のようであり、生き物のように美しく深い色彩、撮影された年月日や場所までも詳しく書かれていて、イメージが膨らみます。写真集というよりは、景色や空気ごと瞬間をとらえた標本のよう。蝶は変化や喜びの象徴。季節の変わり目へと見る者を誘う。
「とげとげ道をくぐり
ぐらぐら橋をわたり
ごろごろ崩れる 岩山をのぼり
ぽっかりと 春が聴こえ
残雪が 煌めいて」(「ⅷ.コツバメ」)