詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■旭川開村130年記念企画展示「安部公房 ~人と作品~」

(ある期間に起きたこと…)

旭川開村130年記念企画展示「安部公房 ~人と作品~」が旭川市中央図書館で4月1日から開かれております。旭川市中央図書館主査岡本達哉氏のご尽力により実現、東鷹栖安部公房の会も協力。故・渡辺三子さん(郷土誌「あさひかわ」代表)が所蔵していた資料も展示されています。世界的に評価され、ノーベル文学賞の候補でもあった安部公房の原籍地は旭川市東鷹栖。時代の変わり目ごとに再評価される安部公房の小説は都市そのものをえがく、変形をえがくといった独自の手法による異世界が読者に開かれます。当初は6月までの予定とされていましたが、4月中旬から6月中旬まで、新型コロナウイルス感染予防のために展示コーナーに入れない状況が続いておりましたため、会期は7月末まで延期されました。これまでの日常が日常ではなくなり、緊急事態が日常に変わる大きな時代の節目に、無観客の展示が行われ、閉鎖解除後に鑑賞に訪れる方たちも紙や布のマスクを着用し、命を匿名化している…まさに安部公房の小説世界が実現しており、展示されて鑑賞されているのはガラスケースの中の品々ではなく、本当は外にいる私たちの現実そのものなのではないかという錯覚に陥ります。

旭川市中央図書館
旭川開村130年記念企画展示「安部公房 ~人と作品~」
https://www2.lib.city.asahikawa.hokkaido.jp/event/event.html

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