■西原真奈美さんの新詩集『光りのパース』(2020年7月5日)を夏の眩しい光の中で歩きつつ、拝読させて戴いております。
〈パース〉とは透視図(Perspective drawing)。
立体の絵。
光は見えるだけでなく見えないものでもあります。
光とは、澱(おり)となり、
溜まるものであるのか
気づかずに溜めてしまい
枯らせてしまった光がどれほどあるか
円を描くように 歩行は呼吸であり
光を匿う折り目を伴う
ランドリーのドラムのごとく
乱暴にかき回され、ゆさぶられた
時代の至る場所にひそむ光
迎え火と送り火 月と朝 春の熾火
誕生のために応援される呼吸の深い折り返し地点から
りんかくの空へ浮き上がらせる希望の透視を
心より感謝申し上げます。