■村田譲さんの新詩集『本日のヘクトパスカル』（竹林館）を拝読させて戴きました。小樽詩話会の会報などで「本日のヘクトパスカル」連作を拝読し、いつか詩集に結実されるのだろうと待望致しておりました。旭川にも村田譲さんのファンがおりますので、大喜びします。村田譲さんはもてる。女性を大切にする（詩を書く）男性はかっこいいのだ。ヘクトパスカルは気圧の単位。気象は神の領域。人の心も宇宙の領域。晴れの日も荒れる日もあるかもしれないけれど、そのすべての天候の器である空は太古の昔から変わらずそこにあり、「まあ、そういうことですから…今日は曇りでいいや」いかなる天気も受容する器の大きな人って素敵だ！詩に選ばれた舞台があり、台詞のような独白のような文体で、一人の詩人の創作のようでありながら共作のようにも感じられること、「妻」と詩人と読者の三者構造、詩人の心の声のような書き方が、読者との秘密の共有のようでいて、じつは「妻」側にとっくに見透かされているようで、わくわくします。とにかく帯がでかいです。表紙半分以上の高さです。詩が一篇まるまる収まるくらいの。白い帯は雲、表紙のブルーは空でしょうか。詩は比喩の魔法。感情だけではなく、運命の繫がりや様々な事象、相手だけでなく、自分自身の天気とも向き合うこと、難しく考えてもダメで、操ることはできなくて、予想も当たったり外れたり、でも最後には晴れたり…心の不思議が天体の不思議に言葉が見事に喩えます。「ゴミステーション」が北海道弁だったとは…凄く、勉強になります、ありがとうございます！！
