詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

自由詩誌「詩の牧場」No.8(2021.3.10.編集・発行人:小川道子氏)

■自由詩誌「詩の牧場」No.8(2021.3.10.編集・発行人:小川道子氏)、拝読させて戴いております。誠にありがとうございます。
 昨年、道内各地の喫茶店のマッチ箱の絵柄を収めた忘れられない詩集『燐寸惚Matchbo^ke』(緑鯨社)を刊行された竹内俊一さんによる、コーヒーの薫りが湧いてくるかのような詩篇「あの喫茶店は」。「あの喫茶店」も、時短営業を要請されてるのだろうか。オンラインではなく「対面」でヒト同士がコーヒーカップをはさんで接触する古き良き文化。
 長屋のり子さんの詩篇「不美人(かわいそうなおんな)の告発」、『現代詩文庫67粕谷栄市詩集』のあとがきに、今では印刷しにくい…「女というものは美人不美人で決まってしまうのだから それはどうしようもないことだから 可哀そうだ」などと書かれているという。IOC森会長の蔑視発言のよう。書いた本人だけではなく、多くの人がそれを読んでも何とも思わなかった、「昔の常識」は人類の始まりから現在に至るまで、常に更新されてきた。いま私たちが信じさせられている普通が、間違っていたと証明され、腹を抱えて笑われる日が訪れる。「男というものは怯懦か怯懦でないかで決まってしまうのだから もうそれはどうしようもないことだから 可哀そうだ」と、かなり怯懦な私も、いつかしっかり書きたいと決意致します。
 東出西超さんによる「渡辺宗子連作詩篇「零地帯 Ⅰ~Ⅴ」に寄せて」、嬉しく拝読致しました。小川道子さんによる「詩はそれぞれの心で感じればそれでいいもの」だと思っているので本誌では論評は一切しないとの編集後記の文にも同感。私なりの心で、「遠くへ行きたい!」という気持ちや情況に対峙する想いに共鳴させて戴いております。《牧場の本棚》、加藤多一さんの詩集『タイチの場合』(共育舎)、渡辺宗子さんの「弦」79の御紹介も嬉しく、たくさんの収穫、心より感謝申し上げます。

f:id:loureeds:20210530182245j:image