詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■『いのちの籠』第48号(戦争と平和を考える詩の会 2021年6月)

■『いのちの籠』第48号(戦争と平和を考える詩の会 2021年6月)を御恵贈賜りました。心より感謝申し上げます。
 本日8月15日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に拝読。散文に伊藤芳博氏「パレスチナ」、貴重な御寄稿、戦火に覆われた国の歴史を紐解き、実際に入域された御経験、現在進行形で戦争の日常を強いられた現地の当事者目線の記述も詳しく、引用された岡真理の「文学は、人間がこのような不条理な情況にあってなお、人間として正気を保つために、言い換えれば人間が人間としてあるために存在するということ。」(『アラブ、祈りとしての文学』)という言葉からも、深く考えさせられました。
 柴田三吉さんの詩篇「しらせ」、間違い電話の留守録は、「はずんだ声」、一つの命の誕生の知らせ。「そのよろこびを籤(くじ)に当たったように/わたしも分けてもらったのだ」。いたましいニュースに満ちた世界で、奇蹟の知らせを、知らない人につなぐ。どこの誰かも知らない人たちによる知らせの輪が、籠の火を灯す。

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