詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■美術品のような…これまで拝見した中でもっとも美しい詩集のひとつである、二宮清隆さんの新詩集『ゆめ野』(2021年8月1日)

■美術品のような…これまで拝見した中でもっとも美しい詩集のひとつである、二宮清隆さんの新詩集『ゆめ野』(2021年8月1日)。北海道の詩誌「饗宴」や「小樽詩話会」で発表された作品を中心に編まれ、初出一覧の頁はありませんが、二宮さんの詩篇は、どれもこの本で初めて出会ったかのような新鮮さがあり、その秘密は「晨」第23号のエッセイに書かれていた、石原武氏による「二宮君の詩はドキュメント詩だ」という評に言い当てられている、表現の不思議な具体性が、当事者感覚を立ち昇らせる。それは推敲で削るべき「説明」などではない、過去のことを今現在目の前で起きているかのように、読者に追体験させることのできる水晶体の独特な詩法で、二宮作品の奥深い魅力です。「小さな王国」「花かざし」「とある日」「ゆめ野」、愛しき世界。記憶の中で生き続ける、大好きな街。人々の暮らし。

 

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