■熊谷ユリヤさんの新詩集『記憶の翼は果てしなく交錯し』(2021年10月31日 思潮社)を拝受致しております。誠にありがとうございます。
紡がれた一連一連から音の波動のように詩が、意味を超えて伝わってくる、行間から色と音楽が溢れるような不思議な詩集。コロナ禍のこと、東日本大震災のこと、現代の災厄について、詩人の視点から時代の大きな節目の普遍的な人間の本質に触れて、響かせているよう。
「 電子顕微鏡が映し出すのは
膜に覆われた表面の突起
王冠のようにも
太陽光冠にも見えた。
どこかの国の言葉で
《死の天使》
という意味だったかもしれない。」
(「堕天使が命の円環を」)