詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■詩誌「複眼系」Vol.58(ねぐんど詩社 2022年11月30日)

■詩誌「複眼系」Vol.58(ねぐんど詩社 2022年11月30日)を拝読させて戴きました。ご恵送賜り、誠にありがとうございます。
 冒頭に板垣美佐子さんの「9月の花」、吾亦紅(ワレモコウ)の紅色の穂が風に揺らぐ「暮れゆく時間」。花は時間である。「後悔なのか懺悔なのか」永い道のりを「溯及」し、生と死のあわいで過去の足音や呟きに耳を澄ます。
 風野中さんの「「新世界から」より」、『「新世界から」より家路』、アントニン・ドヴォルザーク交響曲第9番 ホ短調、「「から より」と云う言葉がとても快く思えた」という新鮮な詩的なご指摘。環境の変化、様々な出会い。「時間が透明な赤のグラデーションで/ゆっくりと流れていた」そのときの音楽。
 本庄英雄さんのエッセイ「「開拓百年記念塔」の思い」、風雪とさび、歴史上の軋轢について等、興味深く拝読。「後記」で米谷文佳さん、渡辺宗子さんの1999年の詩集出版お祝いの会のお二人の写真も嬉しく拝見させて戴きました。心より感謝申し上げます。

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