【ミニ企画展】《安部公房と旭川 没後30年&生誕100年》
★11月18日(土)13:30より
旭川文学資料館2階講堂(旭川市常磐公園)にて
・講演:「安部公房と旭川」(柴田望)
・朗読:酒谷茂靖「笑う月」「睡眠誘導術」
酒谷茂靖さんの朗読と柴田の講演になります。入場無料です。ぜひ足をお運び戴けましたら幸いです。
・講演内容と致しましては、安部公房と旭川東鷹栖の関わり(ご両親のご実家)、2012年に発足した「東鷹栖安部公房の会」による2014年の記念碑建立、現在まで続く講演・朗読イベントの紹介。各講演で語られた安部公房作品の特質、旭川の文芸評論家・高野斗志美による安部公房論などが3分の2程で、残り3分の1は『詩の檻はない』の活動についてのお話になります。
・ソマイア・ラミシュさんの呼びかけに応じ、詩集の発行、イベント等、多くの方々のご支援ご指導を戴きながら関わらせて戴いた2023年の経験は、いま自分が生きている世界の日常とは違う、私たちから見ると非日常の世界が、実際に存在するということ、そして私たちの住む国もかつては今の日常とは異質な価値観の下にあったということを、実際に至近距離で目視するような感覚の経験でありました。
・満州で敗戦を迎え、社会の基準が徹底的に壊れるところをまざまざと目撃した。父を亡くし、最も親しかった友人を失くし、青春を破壊され、時代の変化に曝され、変形を経験させられ、自己を発見せざるをえなかった安部公房は名づけられないものとして「音もなくいとなむ流れ」となるしかなかった。そうした自己を発見し、やがてそういうあり方を拒否し、呪縛をきり払おうとする自己とを、同時に発見していく。
・「変形を経験することで、主人公はたしかに、自己の発見を行う、非人間程状況に呪縛されている自己と、そういうあり方を拒否し、呪縛をきり払おうとする自己とを、同時に発見する。」(高野斗志美)。その変形こそが安部公房の創作活動そのものであったのではないかという気づきなどをご報告させて戴けましたら幸いです。
★旭川市文学資料友の会【ミニ企画展】安部公房と旭川 没後30年&生誕100年
https://x.gd/tqDrf