詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

📖『現代詩手帖』2月号 特集《抑圧に抗して 世界からの声》に、拙稿「冷笑に抗う声~『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』」を掲載戴いております。

📖『現代詩手帖』2月号 特集《抑圧に抗して 世界からの声》に、拙稿「冷笑に抗う声~『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』」を掲載戴いております。ソマイア・ラミシュさんの呼びかけ、8月の『詩の檻はない』の出版、KOTOBA Slam Japanの招聘により実現した12月のソマイアさんの来日、昨年一年間の活動について書かせて戴いております。
 昨年2月、ウエッブ・アフガンの野口編集長よりメールを戴き、タリバン暫定政権によるアフガニスタン国内における「詩作禁止令」に抵抗するソマイアさんのメッセージを知ったとき、古川善盛について調べていた私の手元には、かつて道内の詩の派閥を超えて詩人たちが編纂した『北海道=ヴェトナム詩集Ⅰ』(1965年)がありました。小熊秀雄、今野大力の詩碑のある旭川アフガニスタンの「詩作禁止令」を知り、日本にも詩を書けない時代があったことを想起しました。米軍の撤退したアフガニスタンのメッセージが、米軍が撤退しない日本に届きました。
 タリバン暫定政権にアフガニスタンが陥落した2021年8月15日のちょうど2年後に、私たちは『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』を日本で出版しました。多くの方々のご支援を賜り、日本人詩人36名、海外詩人21名の詩を収めた本を発行することができました。8月24には旭川まちなかぶんか小屋にて、10月15日には横浜市協働スペースにて出版を記念するイベント開催。9月には日本ペンクラブ獄中作家・人権委員会より声明を戴きました。「詩とは思考する自由そのものであり、文学表現の礎である。ソマイア・ラミシュさんの詩による抵抗を支持するとともに、検閲に抗議し、自由の権利を守るために詩作に参加した世界の詩人たちに敬意を表したい。」
https://japanpen.or.jp/post-3327/
 11月、フランス語版『Nulle prison n’enfermera ton poème』のOxybia社からの出版が発表され、2024年1月20ー21日にはオンラインで出版を祝う世界規模のオンラインイベントが開催されました。世界各国から約70名の詩人が参加、日本からも11名の詩人が参加し、朗読とスピーチを行いました。
 12月16日にはKOTOBA Slam Japan2023全国大会(優勝:坂本樹さん 準優勝:二条千河さん)にソマイア・ラミシュさんがゲスト出演。「詩には社会を変える力がある」とソマイアさんは語りました。19日には横浜市協働スペースでのシンポジウム。女性の人権や文化が脅かされているアフガニスタンの凄惨な状況等について討議されました。
https://youtu.be/zLXcLH6BroA
(【動画】アフガニスタンと日本の詩人による知性対話・言論の自由と女性の地位、社会の解放について 2023年12月19日)
 1600字のレポートには書ききれず、誠に申し訳ございません。本当に多くの方からのご支援ご指導を賜り、昨年一年間の『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM 詩の檻はない』、Baamdaamdの活動を行うことができました。ご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。活動について2024年以降も様々な案が出されており、ご報告させて戴きつつ、実現すべく引き続き取り組んで参りますす。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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