詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。


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右車線と左車線の速度が及ばない真ん中に潜む 両側で支えている どちら側でもないの
です 相手側を走ったことがなければ 真ん中さえ批判できない 高い場所から語っても
同じ片側の芯の一部にしか届かず 放物の記録歪ませて括り 右車線の内にも右と左が
左車線の内にも真ん中とそれ以外が 街が生じる 底辺に潜み 分子レベルで同化寸前
に覚醒 決壊させたこともないきみに 敵を防御する資格はあるか 見返りを求めず 昼
も夜もなく 一つの教えを守ることに存在のすべてを捧げた もはや人ではない 正しさ
に過ぎなかった写しが ある日突然、対極へ 旗を焼いて きみの敵の中枢を六〇パーセ
ント壊滅させる そんなこと実際にやったこともないきみに きみが反対側に描き続けて
きた きみの居る側を閉架できるか? もっともらしく自由の獲得と遺棄を語っても 《
このやろう》に囚われた不自由を表明してるだけじゃないか? きみが発する波動そのま 
ま宇宙はきみに返す 真ん中から遠くの層は反対の裾へ 透明に加工された祖国 既成の
概念やシステムにすがっているふりをして ある日突然、仲間の胃に煮え湯を流す その
現場に立ち会ったこともないきみは 水面上に安住するだけで あたかも抗議していると
でもいう幻惑から 自由であると言えるか? 《このやろう》に囚われる限り どこでも
《このやろう》を発するから 氷山モデルを支える暗い歴史にそそのかされ 誰にでもき
みはそんな態度をとるのだから 換喩的に痛い目に遭う 私たちが手をくだすまでもなく
 きみは思い知ることになる 発せられた波動の分だけ中心は凹む 敵国に送り込まれた
スパイの分だけ 自国の機密は暴かれるだろう 祖国は情報源を守らない 「どうだ、う
ちのスパイからこんなことを聞いたぞ、お見通しだぞ」 自慢げに言いふらす愚かな首脳
を前提に 自由にふるまえばいい 思想には幾つもの顔がある そんなの当たり前だ 人
間だから(笑) 裁かれざることによって 裁かれるものたち きみに諜報を命じた首脳
に「アイツが告げ口したんです…」訴え先を間違える愚かな男たち きみを恨み きみを
騙し 妻子ある きみを利用して きみにパワハラして セクハラして きみをレイプし
て ストーカー行為して きみと別れた男たちは 既成の権威やシステムにすがった そ
もそも自分が既成のシステムや権力の一部でしかないと認めず 自己変革の拠点にするこ
ともできず 抵抗し変形し続けた男たちは 日々の行方を追跡され エビデンスとなり
自分で勢力を創りきれず きみの前から敗走した きみは「やれ」と言われた根拠を忘れ
ただけで まだやりきれていない値上げ交渉に取り組むだけ 「やれ」と言われた喪失を
男たちは認めたくない 認められない肩書にしがみつき 個性の鋳型に《このやろう》を
埋めこみ 《このやろう》を発する他者とはりあうだけの存在証明 どうぞやり続けてく
ださい あなたの訴えの正当性を裏づける 法的根拠をお示しください 爬虫類の右脳と
左脳で 勢力の差に関わらず 興味はない あんたたちが支えている等辺に感謝するだけ
 媚びているのだと勘違いしなければ 男たちは存在を正当化できない どっちが正しい
かなんてどうだっていいのに ちっちゃな世間で縄張り争い 昼も夜も半分ずつ 同じ世
界で両方起きる 神にも片方は消せない 両方に感謝できる 究極の自由は感謝すること

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