詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

「くれっしぇんど」107号(8月8日号)

■5月25日の豊平館での朗読会にて初めてお会いすることのできた高橋絹代さんより、詩誌「くれっしぇんど」107号(8月8日号)をお送り戴きました。
 詩人・望月光氏の追悼号。詩誌が大切な同人の魂を送り出していく。望月光氏は大正13年12月生、御年95歳。GHQの検閲を受けた時代から作品を発表していた。目録や書の写真も掲載。高橋絹代さんは「望月さんしか知らないこと、それ等を書き残して下さい」と言い続けていたとのこと。詩の営みとは、作品と作品を書く詩人を見つめる、生と死に出会う厳しい旅であると思いました。冒頭の御作品「此の崎」(望月光作品集から)、生と死の削りあいについて、井上靖の『補陀落渡海記』を例に、衝撃的な作品。会いたい人を想い、此の崎を私たちは目指しているのだろうか。空襲の最中、幼子を背に、「おふくろはいまも此の崎で戦中にいる。」

 

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