詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

立原一洋さんの詩集『ウタ』(文化企画アオサギ 2019年9月2日)

■佐相憲一さんの文化企画アオサギさんより発行された立原一洋さんの詩集『ウタ』(文化企画アオサギ 2019年9月2日)を戴きました。誠にありがとうございます。巻末のエッセイに「「いじめというのは、いじめっ子よりもいじめる子が悪いんだ。いじめられる子には何かしらの原因があるんだ。」/それを聞いた僕はそうは思わなかったけれど、ごちそうになっていたので、違いますと言えなかった。」という優しいまなざしが、立原一洋さんの詩作品の核になっているように感じました。ハラスメントは自覚のないところで発生し、やっている本人は全く悪気はないという問題があります。いいことをしてあげているみたいな。どう受け止めるかは受け止める側の責任かもしれませんが、受け止め方の強制は難しい。優しさや配慮が自分とはまったく違う価値観を持った《逆の立場》まで届くことこそ、人類の進歩であって、全篇を通しての歌の表現の成果でもあり、素晴らしいと思いました。誠にありがとうございました。

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