詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

堤寛治さんの『冬の雷光』(緑鯨社2019年6月30日発行)

■先週の北海道新聞夕刊「道内文学」で三角みづ紀さんより「大地や自然の熱量がつまっている」と絶賛されておりました堤寛治さんの『冬の雷光』(緑鯨社2019年6月30日発行)、6月にお送り戴いてから何度もページをめくり、圧倒されております。自然の厳しさがえがかれることで、人間の生きる厳しさ、過酷な開拓の歴史の厳しさにも通じているよう。北海道詩の歴史に残る一冊!
 釧路湿原国立公園には小学生の頃、両親に連れて行ってもらった思い出があります。また、数年前までは道東方面を一人でドライブする機会が多く、鹿やキツネによく遭遇致しておりました。山道では見たこともない鳥に襲われたことも。人の住む領域に自然が溢れてくる、人の踏み込めない、ふだん人の目に触れることのない、この北海道という島で営まれている、大自然の領域で行われていることが詩句によってえがかれている。表現の手腕、全く敵わないと思いました。嬉しく、心より感謝申し上げます。

 

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