詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

嵩文彦さんの個人誌「麓ROKU」vol.1 No.9

■嵩文彦さんの個人誌「麓ROKU」vol.1 No.9をお送り戴きました。誠にありがとうございます。前号にひき続き、田中健太郎さんによる山川精氏のことを書かれた「図書館司書としての山川精さん」を興味深く拝読。北大図書館の事務長を務めた作家・中津川俊六氏との交流、60年安保闘争の組合活動、「みんなの図書館」とするために対策に余念がなかった栗山町図書館館長時代のこと(私は岩見沢出身なので、栗山町はすぐ隣で懐かしく)。
 嵩文彦さんのアヴァンギャルドな詩画のページ、作品「喝采」も独特の世界観、また、嵩さんによる「あとがき」に心を揺さぶられました。緊迫状態で右往左往している私たちの時代について、提言をされている。「先達の文学者はこう書いています。「人は黙っていてもものをいっている。そのいっていることが分かる人は幸せである。分からない人は気の毒である。どっちにしても人間は、そういう心を眠らせて生きるか、醒めさせて生きるか。どっちかだが、誰もがものの聲を聞く耳をもっているはずである。」
 句集『八月のジュラ紀、十七日のすず風。~嵩文彦自選句集』、これまでに出された六冊の句集から夏の句を抽出され、一冊に夏が込められている。一億5千年前のジュラ紀と今で、変わらないものは何か。手書きのそれぞれの句と行間から夏が湧き出してくる。

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