詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

「Rurikarakusa」16(発行 青木由弥子氏 2021年3月20日)

■毎日、全国から詩誌や詩集を戴いており、本当にありがたく、感謝の気持ちをお伝えしたくて、このようにブログやSNSで御礼を申し上げ、ネットをご覧になられない方へは郵便でお送りしたりということを致しておりますが、とても沢山戴いておりますので、なかなかアップができなかったり、すべてを御紹介できていない次第でございます。誠に申し訳ございません。また、ただの自己肯定感の低い会社員の一人に過ぎない、薄学非才の私が感じたことを述べている感想文に過ぎず、評論と呼べる類のものでは到底ございません。誤読や配慮の足らない場合などあると思います。そうした場合、ぜひご遠慮なくお叱り戴けましたら幸いです。日頃皆様より大変貴重な勉強の機会を賜り、心より感謝申し上げます。

 3月にお送り戴いておりました「Rurikarakusa」16(発行 青木由弥子氏 2021年3月20日)、大切に何度も読み返しておりました。「招待席」に宮尾節子さんの詩篇「豚の川」、「弧火」の衝撃。この二つは、Atonementの詩篇。原罪という言葉が浮かびました。書くことについての姿勢が真摯なエッセイ(「許さないこと 忘れないこと」)に。戒めのモニュメント、「許さない」と「忘れない」について。裁きでも答えでもなく、詩の可能性は内省へと深く導く「問い続けるこころと言葉の冒険」。
 草野理恵子さんの作品「はしれはしれエビフライ」、魚や貝の詩は多く見かけますが、パン粉をつけられて揚げられる直前のエビフライを主題に、会話によって詩が生成される過程は初めて拝読致しました。エビは幼生期には透明なプランクトンである神秘的な生き物。約5億7000万年前のカンブリア紀に誕生。出雲風土記に記述があり、縄文時代から食べられていた。
 編集後記に青木由弥子さんが、本号の宮尾節子さんの詩を読んで、ナウシカがテト(キツネリス)に指を噛ませて信を得たシーンを想起されたと書かれており、弱い者を守るための自己犠牲について考えさせられました。詩人に着想が降りて言葉を編み、その言葉を受けて読者はさらなるイメージを織る。その響きあい。時には「展開が読めない」軌跡。空間に繊細な茎を描く。

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