詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

「北海道詩人」No.146(北海道詩人協会会報)

■「北海道詩人」No.146(北海道詩人協会会報)にて、
今回も私たち「フラジャイル」同人の活動をたくさん掲載戴いており、誠にありがとうございます。
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・2018年11月10日、東延江さんの講演で始まった「北の詩祭」、小篠真琴さんが「蹄鉄屋の歌」、柴田が「しゃべり捲くれ」を朗読。(菅原みえ子さんにより、「フラジャイル公式ブログ」より、レポート掲載戴いております。
・9月2日、小樽白鳥番屋にて、詩劇「ピングリーン人、アフリカに渡る」&ポエーマンズの催し。柴田はシンセサイザー演奏、支倉詩の映像上映など^^
・9月22日、小篠真琴さんの詩作品「海が見たい」が「福島を詩の街に」優秀賞に!
・9月29日、旭川にて(ジュンク堂書店旭川店)、「青芽」から「フラジャイル」へ ー詩のマチ旭川の再興に向かってー」 記念朗読会
・10月21日、「一穂への遥かなる
・11月6日、旭川詩人クラブ第32回詩画展記念行事
 「詩と遊ぼう」「みぞれ」の即興詩披露
・11月22日、金石稔さん、帷子耀さん、阿部嘉昭さんの詩集出版祝賀会でした!
・12月24日、第2回あさひかわプラタナス通り朗読会、
 木暮純の朗読に柴田ピアノ伴奏、
・12月、「詩と思想」地域からの発信として、柴田の「青芽からフラジャイルへ」の記事御掲載を戴く。
・小篠真琴さんの「生まれた子猫を飼いならす」が、2018年度北海道詩人協会賞の候補に!!
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・5月11日、総会・合評会へ参上できず、誠に申し訳ございません。選考に関わらせて戴きました「小熊秀雄賞」の授賞式と重なっており・・・毎年重なるのであれば何か対策を考えたいと思います。フラジャイル代表として、小篠さん、ご出席のほど、宜しくお願い致します。

・2018年版の「北海道詩集」No.65には、編集後記には、「長い歴史を持つ旭川の詩誌「青芽」(1946年創刊)が終刊しました。主宰の富田正一氏の志が、「フラジャイル」という新しい世代に引き継がれたことは、一つの理想のように思われます。」 このように書いて戴いておりました。旭川フラジャイルのやるべきことは明白であります。心より御礼申し上げます。

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北海道詩人

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北海道詩人2

 

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北海道詩人3

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北海道詩人4

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北海道詩人5


「詩・仲間 ZERO No. 41」(2019年2月発行「ZEROの会」)

■「詩・仲間 ZERO No. 41」(2019年2月発行「ZEROの会」)、ご恵送賜り、誠にありがとうございます!

 綾部清隆さん「よぎるもの」、あるときコンビニなどで偶然、最近ではフェイスブックなどで・・・何十年かぶりに中学、高校時代の友人にばったり会うことがあります。もうお互いあまり憶えていないくて(向こうは憶えているかもしれませんが)、ちゃんと挨拶できず、よぎる気配を感じるだけのときもあります。亡くなった友人が挨拶に来てくれたのかもしれないと、この作品により気づかされるのでありました。
 森れいさん「かえしうた」。「還してやらねばならない」・・・昨年秋の小樽詩話会の例会で、ご担当の森れいさんが珍しい石をたくさん見せてくださり、石が登場する素敵な詩作品をたくさん教えてくださいました(木田澄子さんの作品が多かったです!)。 石は遠い距離や時間を超えて運ばれてくるのだと学びました。その例会でもお話しましたが、柴田が15、6年ほど昔、小樽で離婚しましたとき、プラチナのペアの結婚指輪を古い質屋に出しました。プラチナは溶解され、蘇るから、それで良し、小樽湾に捨てちゃだめ、とれいさんに言われました(笑)。遠い距離や時間を超えて、幾多の物語(「マグマと毒性をふくんだおいたち」とか)を秘めて、石はやってくる。「寂しい夜には所在なげに発光し/偏愛の名のもとに イノチの輪郭にそって尖っていく」・・・「偏愛の名のもとに」「あまりに深い情念ゆえに」「結晶した奇跡の宝(いし)」。

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ZERO

 

詩誌「くれっしぇんど」106号(2019・4 令和元年》・・・4月8日発行なのに、もう「令和元年」の文字が印刷されている!

■詩誌「くれっしぇんど」106号(2019・4 令和元年》・・・4月8日発行なのに、もう「令和元年」の文字が印刷されている!)
 いつも同人の皆様の詩作品だけでなく、「断片」やあとがきも楽しみに拝読させて戴いております。
 《「くれっしぇんど」100年の歩みからⅥ 「連詩」分科会は愉しかった(高野喜久晴さん)》、1996年に〈第十六回世界詩人会議日本大会’96前橋〉での「連詩」分科会の模様が書かれています。「生命賛歌」をテーマに、韓国語、中国語、英語圏の詩人も参加! 限られた時間の中で「まとめ役の力量がためされる。」 
 「前後の詩がリエゾンしつつ発光し原詩とは異質な空間を創っていくのが連詩の面白みであろう。少なくとも前詩と同じ用語は避けたいのだ。飛躍する世界が立ち上ってこない。」(連詩の魅力とは何か)とのこと。なるほど。全行が一人の詩人の責任である通常の創作とは異なり、次の行にどんな言葉を持ってくるか、どんなイメージを湧かせるかは次の順番の詩人の選択にかかっている。自分の順番の次の行に何が来るかはわからない。あっ、こう来たか!という驚きがあったりして。5月25日の豊平館ライブにて、ぜひ参加される皆様とともに、試みたい次第であります。
 詩作品、どれもレベルが高く・・・安田萱子さん「場所Ⅰ・Ⅱ」詩の生きる場所はどこにあるのか、傷つけた時、傷ついた時、負った傷、負わせた傷口にあるのか、同じ方向へ一斉に歩く都会の駅の人々が見向きもしない仄暗い祠に、供えられた小さな酒瓶、変哲のないどこにでもあるような風景なのか。
 高橋絹代さんの「ちびまる子ちゃん」、「顔の長いおじいちゃん」があのように愛情に溢れ、孫に対し最大限に理解のあるおじいちゃんにえがかれたのには、創作の原点に関わる秘密があったようですこと、3月に小熊秀雄の講演でお話させて戴きました。そのことを高橋絹代さんへ報告申し上げる所存であります。

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くれっしぇんど

 

「まどえふ」第32号・2019年春(3月1日刊)

■「まどえふ」第32号・2019年春(3月1日刊)、ご恵送賜り、誠にありがとうございます。
 いつか「フラジャイル」も、こちらの「まどえふ」や「くれっしぇんど」「詩邦人」「ZERO」のような作品中心のページ数は薄くて詩質はとっても厚い!詩誌を将来的には目指していく方向であります。
 今号、吉田正代さん「小窓の中に」、アルファベット26文字中の「F」、Free Fly Family Fine 藤学園、前向きで思い出深い言葉、他にも二つ登場する。こんな書き方もあるのですね。
 水出みどりさん「はるかなものを」 ふだん聴こえない音に耳を澄ませるのが詩の役目、言葉が生まれる前の状態を言葉でえがくのが詩の務め、はるかなものに続いていく。
 古根真知子さん「待合室」、病院の時間軸は定型的な繰り返しのように見えて、着実な変化を誘う。「時間は刻々と進んで/私は刻々と変わります」、いつどのように変化したのか、気づかない。しかし、振り返るともう、次の段階へ進んでいる「受付で書いた/問診票は/すでに過去の情報です」「診察室のドアが開いて/人が出て/待ち人が呼ばれ/ドアを開けて入っていく」
 橋場仁奈さんの「悲歌」、いっぽんの木が、雪の結晶を織りなす拡がりのごとく成長する。人生の広がりや家系の壮大な物語のよう。憶い出は「きらきらと別れ別れになって夕べにはまたかえってくる」ものなのですね。美瑛町にあった「哲学の木」の美しい景色を想起しつつ・・・何度か実際に見る機会がありました。イタリアンポプラは寿命を全うしようとしていた。観光客のマナーのこともあり、2016年に伐採された。それは「夕べにはまたかえってくる」「また枝分かれしてのびていく別れ別れになってのびていく」私たちの歩む転生のサイクル、貴重な学びの過程の一つ、そんなことを想いつつ、拝読させて戴きました。

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まどえふ

 

「詩邦人」26(編集・発行人 三村美代子さん)

■「詩邦人」26(編集・発行人 三村美代子さん)、3月にお送り戴いておりました。誠に、ありがとうございます。各同人作品、あとがき、室蘭の文学の魅力がぎっしり、表紙・裏紙のお写真も素晴らしい。海面にぎっしりと浮くハス氷が、冒頭の佐藤慎吾さんの御作品「ガラス」の詩句、記憶の世界に響くよう・・・「放射する巧みなライン/倍加する力は窓/歴史の溶解で連続する野心は防げない」
 三村美代子さんの「謎~スペイン バルセロナで~」サグラダ・ファミリアを見事にえがく。ガウディの意志を最も深く受け継いでいる日本人彫刻家・外尾悦郎氏の「生きているということは本来命懸けである」という言葉を以前読み、仕事とは何か、詩作とは何か、深く考えさせられた次第です。「未完成の月日を重ね 今もなお/建築中という謎/石工は今日も/宇宙の背骨に のみを振るう/かくされた謎に向け 槌を打つ」・・・なるほど、かくされた謎に向かい、全身全霊!

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「詩邦人」26(編集・発行人 三村美代子さん)

 

村田譲さんのブログ、「空中庭園の日々」にて

北海道の詩人なら(道外からも勿論)誰もが見ている、村田譲さんのブログ、「空中庭園の日々」にて
詩誌「フラジャイル」第5号、ご紹介を戴いております。
(※業務連絡:フラジャイル同人はシェアをお願い致します。)
誠にありがとうございます!!!m(_ _)m
吉田一穂展文芸対談の記述の中で「気に入った」とご感想戴いた箇所につきまして、私もかなり気になっておりました^^醸成された大人のジョークは素晴らしい。

blog.livedoor.jp

竹内俊一さん 詩集『草茫茫』『蟋蟀』『延齢草』

■小樽詩話会の竹内俊一さんが、三冊もの詩集を緑鯨社より、この3月に同時刊行されました!!

詩集『草茫茫』 平成19年から平成23年頃までの作品
詩集『蟋蟀』 平成24年から平成27年頃までの作品
詩集『延齢草』 平成27年から現在に至るまでの作品

三冊を一冊の大作として読むこともできますが、装填が一冊ずつ個性的でアイディアに満ちている。詩群は決して重すぎず絶妙なる深い味わい、道東の旅、文字の追求、飼い鳥《メグ》、苺や薔薇、牡丹の庭の自然、クラシック音楽やジャズ(マル・ウォルドロン「レフト・アローン」)の鑑賞。詩情豊かな竹内さんとの上質な生活を同時体験させて戴くような喜び、日常の思想、人生観、歴史観も。心の拠り所の一つとなり、心より感謝申し上げます。お気に入りの作品がいくつもあります。その中の一つ、ここにご紹介させて戴きます。

帰還(後編)

どれ程の時がたっただろうか
栄枯盛衰
聖者必衰
生者必滅
有為転変
いか程の道のりであったろうか
白髪三千丈
茫然自失
一潟千里
駆けめぐる元の木阿弥
一日千秋
何も変わらず
夢は破れて
心の傷は
腕は萎え
足は重たく
もうどこへも
始まりは終わり
静かな安らぎ
見覚えのある戸を開けると
あったかな微風が
ぐるぐる体に巻きつき
螺旋に回りに回って
百年の夢は

(竹内俊一『蟋蟀』)

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竹内俊一さん詩集

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草茫茫

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蟋蟀

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延命草