詩誌『フラジャイル』公式ブログ

旭川市で戦後72年続く詩誌『青芽』の後継誌。2017年12月に創刊。

■空中庭園な日々 詩誌『フラジャイル』第3号

■北海道の詩人の方々なら、誰もが拝見致しております、
詩人・村田譲さん(北海道詩人協会会長)のブログにて、
詩誌『フラジャイル』第3号をご紹介頂きました!
誠に、ありがとうございます。
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空中庭園な日々
「空への軌跡」別館 ―― 北海道の詩誌を中心に & 気になるニュース
http://blog.livedoor.jp/gliding_flight/archives/2075810.html
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こんなにしっかりとお読み戴き、評も戴き、すっごく幸せです。誠に恐縮です。なんか、詩人になれたような、気持ちであります^^。林さんの題材は、創作について。書くことと読むこと、読まれることについての作品であったのです☆

ほらっ、林高辞さん、木暮さんも、すぐにチェックを!
そしてシェアを、お願いします☆^^☆

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北海道新聞夕刊《道内文学》にて 「青芽」が終刊 内省、模索続けた72年

■2018年9月5日(水曜日)の北海道新聞夕刊《道内文学》にて、私たち旭川の『青芽』終刊号、そして『フラジャイル』について、大きく紹介戴いております。誠に、ありがとうございます。

■「続けるということ。単純に思えて全く容易くない。」
 19歳から91歳までの72年間、富田さんが走り続けた『青芽』。色んなことがあったと、いつもお会いするたび、尽きることのないお話を満面の笑顔で・・・

■今回衝撃的な状況が北海道を覆いましたが・・・戦中戦後を駆け抜けてきた富田さんの91年の大海原に比べたら、一滴の出来事かもしれません。その一滴一滴を私たちはあたかも大海原のごとく、詩で表現しようと試み、生命に大小は無く、海は生命の根源、宇宙につながる。
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 眠りから目ざめ
 まっしろな平原の雪を
 突き破り
 陽ざしに向かって伸びあがった
 ひとつの青い芽
 (「星としての青い芽」二宮清隆)
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さいたまの二宮さんから昨晩、Lineで応援メッセージを戴きました。
「長い道のりの一歩、つねづね、ご用意を。日本の安心、安全は神話。乗り越えたとき、普段は感じない明るさを手に入れるでしょう!!」
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2018-09-08.

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■「旭川市教育委員会」の後援を、戴きました! 『青芽』から『フラジャイル』へ ― 詩のマチ旭川の再興に向かって ・ 戦後72年詩誌の歴史を受け継ぐ ―

■「旭川市教育委員会」の後援を、戴きました!
誠に、ありがとうございます。

『青芽』から『フラジャイル』へ
― 詩のマチ旭川の再興に向かって ・ 戦後72年詩誌の歴史を受け継ぐ ―
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■これから大きな余震が来て、また停電が続くとなるとどうなるか分かりませんが・・・、電気が消えても詩の灯を絶やさず、自然の暴威にさらされながら、こんなことをしている場合ではないかもしれませんが、詩はそもそも、日常に潜む、または日常にあきらかに顕れていながらにして誰もが見て見ぬふりをしている深い亀裂を、言語の技法で気づかせるものであり、その技法とは、人類が獲得してきた言語以外のあらゆる創造の技法、人類の叡智のすべてをまざまざと想起させるものであり、過酷な状況下ですっくと立ち昇る表現の可能性であります。

■詩とは、《そうであってはならない状況に与しないもの》という金時鐘氏の言葉に、生き方を学び、大いに励まされてきました。

■そもそも覚悟と効果のないところに創造はありえない。火が刺繍された「詩の国北海道」より、詩の灯を絶やさず、戦後72年の『青芽』の歴史、平和の歴史を後世に伝えるべく、新たなる地平に挑ませて戴きます。

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■場所:ジュンク堂書店旭川店 ギャラリー・ジュンク
〒070-0031旭川市1条通8丁目108 フィール旭川5F tel:0166-26-1120

■展示: 9月26日(水)~10月1日(月)

■朗読会: 9月29日(土) 15:00~16:30
「青芽」同人、「フラジャイル」同人、
ゲスト詩人の皆様によるご出演もあります。
朗読会 : 入場無料 (資料進呈)

主催 : 詩誌「フラジャイル」 青い芽文芸社
後援 : 旭川市教育委員会 NPO法人旭川文学資料友の会 
    旭川詩人クラブ 東鷹栖安部公房の会

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「一穂への遥かなる最弱音(ピアニッシモ)」11月4日(日)13:30~15:30 北海道立文学館講堂

■電気は消えても詩の灯を絶やさず、これからまた大きな余震が来て停電が起こったりしますとどうなるかわかりませんが、北海道立文学館にて9/22土~11/18日迄行われる予定の特別展「極の誘ひ―吉田一穂展 あゝ麗はしい距離、」関連事業として、詩の朗読会が11/4日に行われます。「一穂への遥かなる最弱音(ピアニッシモ)」に、出演・参加させて戴きます。
 自然の暴威にさらされながら、こんなことをしている場合ではないと思われるかもしれませんが、詩はもともと、日常に潜む、または日常にあきらかに顕れていながらにして誰もが見て見ぬふりをしている深い亀裂を、言語の技法で気づかせるものであり、その技法とは、人類が獲得してきた言語以外のあらゆる創造技法を想起させるものであり、過酷な状況下ですっくと立ち昇る詩があります。
 道内の名だたる詩人の皆様がご参加、ピアノ演奏と共演の試みもあります。(フラジャイルより、木暮純さんと柴田が参加致します☆)皆様のご来場をお待ち申し上げます。
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「一穂への遥かなる最弱音(ピアニッシモ)」

 ― 道内の詩人たちがお気に入りの一穂の詩と
   その詩にちなんだ自作の詩を朗読します。―

11月4日(日)13:30~15:30 北海道立文学館講堂
朗読者:
 大島龍
 加藤多一
 木暮純
 木田澄子
 櫻井良子
 佐藤裕子
 柴田望
 菅原みえ子
 瀬戸正昭
 高橋純
 嵩文彦
 長屋のり子
 花崎皋平
 村田譲
 渡辺宗子
 渡会やよひ 
ほか

協力 : 北海道詩人協会

※聴講無料 要申込
10/19 9:00から電話にてお申し込みください。定員60名。
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「 粉 」 柴田望
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バンコクのウォーキングストリートには
あらゆる言語 肌の色が混じるのに逆らい
車道に眼を落とせば 信号待ちの表面張力
コップの底に溜まる粉のごとく バイクと
ラクションの群れが満たす 六車線の日本車の隙間を
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バンコクの電柱には 百本以上のケーブルが巻きつけられている
日本ではせいぜい一〇本程度だ 法律で許されないはずだ
あんなに見事に 頭上に織りこまれて 何が遠くと絡むのか
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見たこともないほど過大な屋外広告 日常を剥がす
オカシイのはどっちだ? 窓ごしリングで殴りあい
観客も黄昏 勝ったほうのぶんかに染められていく
膨大な修正の過程を胃壁へ流し 「都市素描」を浮かべる
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( 街
  白金の幾何学

  高層建築の光の祝祭
  あゝ鮮麗な空間の形 )
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バンコクのデパートの書店に詩のコーナーは無い
この瞬間、どこへも出かけず ホテルの部屋で
一穂の詩を他国のコースターに謄写している観光客は 
他にいないか? …SNS検索するソフトクリームの溶度で
レンブラントホテルのプールで水着なのは 白人と日本人だけ
鱗粉を禁則に孕み ふりがなのごとく針金を緩ませ
アルファベットのお土産を売る現地の若者を背に
仲間たちはふきだしくり抜かれて 夜の街へ溶けていった
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( 不眠の華に晝く屋根裏の月 )
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( 有機解體の頽廃期へ分裂し下降していく )
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※()内は吉田一穂の作品「都市素描」(詩集『海の聖母』)より
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北海道立文学館で9月22日より行われる特別展「極の誘ひ 詩人吉田一穂展 ―あゝ麗はしい距離(ディスタンス)、」に向けて
http://www.h-bungaku.or.jp/exhibition/future.html#sp201809
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極の誘ひ 詩人吉田一穂展 ―あゝ麗はしい距離(ディスタンス)、
会期:2018年9月22日(土)~11月18日(日)
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詩人吉田一穂(よしだ・いっすい、1898~1973年、渡島管内木古内町出身)が生誕して120年。 「海の詩人」「孤高の象徴詩人」「日本のマラルメ」と呼ばれ多くの芸術家らに畏敬された一穂は、少年時代を過ごした積丹半島の古平町を<白鳥古丹(カムイコタン)>と呼んで詩的インスピレーションの源泉としました。 本展では、詩集『海の聖母』『未来者』『白鳥』などの代表作をはじめ一穂の詩業を、その書画とともに紹介します。東西文明への深い洞察力と鋭い批評性をたたえ、今なお近代詩の極北に位置づけられる吉田一穂の世界をご堪能ください。

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『弦』72号(2018.9.1)

■渡辺宗子さんより『弦』72号(2018.9.1)をご恵贈頂きました。誠にありがとうございます。

 いつも『弦』を戴くと、私は創作の原点について考えさせられます。「弦」とは弓矢の弦のことならば、目標に向かって引き絞られる、矢が放たれる以前の重要な役割を持ち、楽器(ピアノやギター、琴、三味線・・・)の弦を考えるならば、音程が調整された状態で奏でられるのを待つという、音が発せられる以前の重要な役割を持ちます。いずれも丁度よい強度に張られていなければならない・・・
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■今回の『弦』、色彩が織り成す荘厳なイメージ。恐縮ながら誤読を恐れず・・・1ページ目は、どこまでも広がっていく空(「青空の青い短冊/風にゆれて光ります/空の高みはすずしい風」~「か細い草」 嵩文彦)の《青》。そして2ページ目は夕暮れ、林檎、(「手旗を振った/精いっぱいに/不幸を励ます/煤けた林檎」~「夕暮れの林檎」 渡辺宗子)国旗の《赤》に埋め尽くされた時代の差異。3ページ目は夕陽の《赤》と《紫》(「四季が絢い交ぜた一彩に見える/いまどきむらさきの頃と呼んで/藤や紫陽花が夕陽に匂う道/ステッキは/おろおろ歩いていく」~「ミドリ亀の家(2)」)、そして4ページ目は天然石ラピスラズリの《青》(「ギルガメッシュ叙事詩」-第一書板 暴君ギルガメシュ王-)・・・『ギルガメシュ王の物語 ラピス・ラズリ版』司 修 (画), 月本 昭男 (訳)(ぷねうま舎)、青くて美しい本です。
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■《青》と《赤》(混ざった《紫》も・・・)、二つの色が最大限に引き絞られて、想像力が解き放たれる。古代文明叙事詩へ、無機質な世界に棲む哲学者の寓話へ、真紅の夕日に重なる林檎へ、青空を栞にする、ネクタイの都会へ・・・
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■「コンクリートの見えない隙間から/やっと生えでている/ほそぼそと顔色の悪い一本の草/いつ振るかわからない雨です」(「か細い草」  嵩文彦)

 さくらももこさんが53歳の若さで亡くなられました。「ちびまるこちゃん」には優しいおじいさんが登場します。しかし、モデルとなったさくらさんの実際のおじいさんは、とても冷たくて意地悪だったそうです。「こんなおじいちゃんがほしかった」という理想から、いつだってまるこの味方、孫への愛情溢れる友蔵のキャラクターは生まれたとのこと。このエピソードを聞いて、「ちびまるこちゃん」の見方がガラリと変わりました。

 一昨年のクリスマスに亡くなった、世界的大スター、ジョージ・マイケルの本名はイェオルイオス・キリアコス・パナイオトゥ。少年のころ自分の空想の中で思い描いた、強くて優しい架空のヒーロー、「ジョージ・マイケル」を自分の芸名にしました。もう一人の架空の自分として、「ジョージ・マイケル」を名乗りました。

 「コンクリートの見えない隙間から/やっと生えでている/ほそぼそと顔色の悪い一本の草」・・・どこまでも広がる自然の象徴である青空のコントラストとしての、コンクリートの無機質を突き破り、生命を謳歌し、「いつ降るかわからない雨」と共振している。いつか「都会のネクタイ」となり「青空を栞に」し、「青い短冊となる」可能性を秘めたその草は、実はもの凄く強い存在なのではないかと、想像力を飛ばしつつ、拝読させて頂きました。誠に、ありがとうございました。「青空の青い短冊/風にゆれて光ります。」(「か細い草」  嵩文彦)

■ 『弦』 72号  編集発行 渡辺宗子

・ 「か細い草」  嵩文彦

・ 「夕暮れの林檎」  渡辺宗子

・ 「ミドリ亀の家(2)」  渡辺宗子

・ 「ギルガメッシュ叙事詩」-第一書板 暴君ギルガメシュ王- 渡辺宗子

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詩誌『饗宴』Vol.82

■詩誌『饗宴』Vol.82をお送り戴き、《饗宴ギャラリー82》として柴田望「音楽」を掲載戴いております。誠に、ありがとうございます。星まゆみさんの詩作品「演奏会」より着想を戴いたものです。
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■「わたしは、人間の社会的価値が、所有する財産の多寡で計られ、芸術や詩よりも効率性がはるかに重んじられる文化の中で生まれました」…既成の常識的価値観を覆すことが詩人に課せられた役目のひとつであると論じる細野豊先生の詩論《米国の物質文明を心底で批判する森の詩人-アンバル・パスト》。岩浅武久さんによる、詩人・ロシア文学者太田正一(1945-2018)の紹介(「具体的なロシアとの、いやロシア人とのかかわりがそのいとぐちにならなくては自分のロシア文学は何の意味もない」という断言に胸打たれました。)、各同人の皆様によるショートショートの腕前が披露されるなど、興味深い内容ばかりです。
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■詩作品「室蘭街道Ⅰ」(瀬戸正昭)  「人々は現在(いま)を作った過去にもうすっかり興味がないのだ/いまの自分に忙しいから 根がすつかりたたれているのだ」「焼け焦げたトーストに塗られたバターのやうに/路上にとけてくずれていく」 存在について、時間について、錯覚と現実について、幻を幻とするのか、現実とするのか、存在者による創作の役割について、深く考えさせられる作品でした。詩誌の一番最後に山内みゆきさんの「本と映像の日々18」が置かれているのも印象的です。読書の素晴らしさを詩誌の巻末に想い出させてくれるから。読書は旅。遠い北見往復夜のドライブ…金石稔さん主催、吉増剛造先生のイベントでお会いできました。大変お疲れ様でした。
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■林檎屋主人日録(抄)41 も楽しく読ませて戴き、4月28日の豊平館朗読会のこと、色々と想い出しました。準備等、本当にお疲れ様でした。大盛会でした。瀬戸さんのおかげです。皆様のおかげです。詩誌『饗宴』ばんざい☆本当にありがとうございました。
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2018-08-30.

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エウメニデス事務局のツイッターにて!!

■詩誌「フラジャイル」第3号、エウメニデス事務局のツイッターにて、ご紹介を賜り、誠に恐縮です。ありがとうございます。